新潟市潟のデジタル博物館

潟を知る

 国の天然記念物オオヒシクイの日本一の越冬地

福島潟ふくしまがた

潟の概要

 福島潟は、新潟市北区と新発田市にまたがる約262 ヘクタールの新潟市内最大の潟です。その昔形成された新潟砂丘により、阿賀野川などの河川の流れが遮られ、さらに砂丘列の内陸側に徐々に土砂が堆積し、約2,000 年~1,000 年前に形づくられました。1680(延宝8)年頃、面積は約5,800 ヘクタールあったと伝えられています。
 福島潟の干拓の歴史は江戸時代中期にまでさかのぼります。享保15(1730)年に開削された松ヶ崎堀割がきっかけとなり、周辺の新田開発のための干拓事業が進みました。その後、全面開発を行うべく、新発田藩は福島潟の干拓を進めましたが、安政2(1855)年、当時の潟水面540haを豪農15人に譲渡しました。新発田藩は近世土木技術の限界を認識し、潟の全面干拓を放棄したのです。その後、豪商といわれた葛塚の弦巻七十郎や水原の伊藤伊左衛門などに干拓は引き継がれ、明治44年(1911年)に、潟は天王の市島家の所有となりました。
 昭和に入り、国が市島家から潟を買収した後、1961(昭和36)年の新井郷川排水機場の完成を契機に、1968(昭和43)年に国営福島潟干拓建設事業が始まりました。その結果169ヘクタールが干拓され農地となり、1975(昭和50)年、福島潟の面積は193 ヘクタールとなりました。
 現在、福島潟の周囲は治水目的で堤防の造成が進んでいます。この堤防の一部は、新潟県が買収した潟周辺の水田約80 ヘクタールを潟にとりこむように造られ、水田部分を掘削し、水面を広げ、過去に干拓した場所を再び潟として復元しています。
 現在の福島潟には13 本の河川が流入し、新井郷川から流出していますが、洪水時には福島潟放水路からも排水されます。新井郷川の河口近くには新井郷川排水機場があり、ポンプで常時排水しており、福島潟の水位は新井郷川を通じて常に標高T.P. ※)マイナス0.7メートル程度に維持されています。
※)T.P. 東京湾平均海面(Tokyo Peil)   

景観的特性

 潟の浅い水域にヨシ帯が島状に広がり、越後平野の原風景を思わせ、春には整備された菜の花畑と雪をかぶった山々が潟の景色を彩ります。新潟県が主体となって行う福島潟河川改修事業の一環である湖岸堤の整備(2014 年~2015年施工)では、「水の公園福島潟」の公園内における堤防法線が既存計画から変更されました。このことにより、潟を訪れた人に堤防を超えているという感覚をあたえずに、潟の水辺に近づくことができ、五頭連峰や飯豊の山々を背景とする福島潟の特徴的な風景を損なわない設計となりました。この堤防は、2016(平成28)年、土木学会景観・デザイン委員会デザイン賞の奨励賞を受賞しています。
 そして、1999(平成11)年に日本建築学会賞を受賞した青木淳氏設計の「ビュー福島潟」も訪れる人の目印となっています。

福島潟の動植物

 国の天然記念物の渡り鳥であるオオヒシクイの日本一の越冬地です。また、220種以上の野鳥が確認されています。
 多くの水生・湿性植物などが450種以上確認されているほか、現在全国で70カ所程度しか生息が確認されていない希少な植物・オニバスは、福島潟が日本の自生の北限となっています。

オオヒシクイ

潟での漁

 かつて、福島潟ではスダテ漁、カブセアミ漁、「ザイボリ」と呼ばれる氷上追い込み漁など様々な漁法による漁が行われていました。淡水魚のほか、かつてはサケのような回遊魚や汽水・海水魚も獲れましたが、新井郷川排水機場の完成でこれらの魚は姿を消しました。また、昭和30 年頃を境に、農薬流入など環境悪化で漁獲量・漁獲種も激減し、福島潟の漁業は大きく変化しました。しかし、水質が改善された近年、フナ、雑魚、モクズガニ等の漁が地元漁師により続けられています。

かつて魚を捕るために使用されていた ヨウモツゴヤ

福島潟に関する諸活動

 福島潟のほとりに建つ、水の駅「ビュー福島潟」(1997(平成9)年完成)は、自然と文化を包括した「自然文化」という新しい自然保護のコンセプトのもと運営され、年間約90 件の学校向け環境学習のほか、来館者向けのガイドを行っています。
 また、福島潟を舞台に、市民団体による潟の環境保全活動や潟を楽しむ活動として、菜の花畑の迷路や潟舟の乗船体験、昆虫・植物・野鳥の観察会などが行われています。 
 例年3月頃に、福島潟環境保全対策推進協議会が、潟の環境保全のため潟中のヨシ原に火入れをする「新芽呼ぶヨシ焼き」を行っています。
  また、毎年9月秋分の日、年間最大のイベント福島潟自然文化祭では、1万本を超えるロウソクを使い、地域の人々や子どもたちの手によって、オオヒシクイが描かれる「雁迎灯(かんげいび)」が行われます。オオヒシクイを福島潟のシンボルとし地域や子どもたち、団体、行政が協力して行われる事業の存在が、福島潟と人との関わりを象徴しています。

ヨシ焼き
雁迎灯

基本データ

面積:約262ha
水面標高:T.P.-0.7m
水源:河川
潟(湖沼)のタイプ:潟湖(海岸砂丘で閉塞され、海面の低下とともに平野の低地に残された水面)

所在地

新潟市北区新鼻甲ほか、新発田市

交通アクセス

●日本海東北自動車道「豊栄新潟東港IC」より車で5分
●JR白新線「豊栄駅」より車で5分または徒歩で30分

駐車場

水の駅「ビュー福島潟」駐車場
●普通車:130台 ●大型車:5台

関連施設

水の駅「ビュー福島潟」
●潟来亭
●雁晴れ舎(国指定福島潟鳥獣保護区管理棟)

福島潟ガイドブック完成しました


十二潟、じゅんさい池、上堰潟、佐潟に続く、5冊目となる福島潟ガイドブックを作成しました。
福島潟に関する地形や干拓・治水、生きもの、伝説・暮らし、地域の取り組みについて専門家の調査結果をまとめました。潟への理解と愛着を深める本ガイドブックを是非、ご覧になってください。

福島潟ガイドブック(PDF)
福島潟ガイドブック正誤表(PDF)