新潟市の湖沼などで確認されているその他の水生動物
これまで紹介された生物のほかにも、潟環境には様々な生物がすんでいます。例えば、水の中には植物プランクトンや動物プランクトンがいます。これらは顕微鏡がないと確認できませんが、非常にたくさんの分類群を含んでいます。潟の底には水生のミミズ類やヒル類、小さな原生動物などの生物がいます。また、水中の植物や石、護岸には動物ではありますが、動き回らず、植物や何かの卵と勘違いされることもあるタンスイカイメンやコケムシといった生物もいます。
このページでは、このうちのいくつかの生物を紹介します。
希少種:新潟市レッドデータブック掲載種
- EX(絶滅)
- EW(野生絶滅)
- EN(絶滅危惧Ⅰ類)
- VU(絶滅危惧Ⅱ類)
- NT(準絶滅危惧)
- LP(地域個体群)
外来種:人為的に持ち込まれた種
ハリガネムシ目の一種
秋に水たまりなどでみつかる。これはカマキリなどに寄生していた個体が繁殖のために出てきたもので、水中でふ化した幼生は、水生昆虫に取り込まれ、それを食べたカマキリに寄生する。
ユリミミズ(ミズミミズ科)
体長は30~60mm。体色は明るい赤色。採集するとコイル状に巻く。様々な水域の底泥に生息し、湖沼の深底部の優占的な種類となる。
テングミズミミズ(ミズミミズ科)
体長5~10mm。主に水草に付着して生活する葉上動物。よく泳ぐ。水深が浅く水草の多い潟では多く見られる。前方端(頭部前方)に吻を持つことが特徴。
ヌマエラビル(ウオビル科)
体長10mm程度。11対の房状のえらをもつ。クサガメなどに寄生する。十二潟で確認した際には、クサガメ1個体に複数個体が付着していた。
シマイシビル(イシビル科)
体長は4cm程度で、伸びたり縮んだりする。背面に2本の黒褐色の縦縞があり、他の種と見分けられる。肉食でユスリカやミミズを食べる。やや汚れた水域で普通にみられる。
オオマリコケムシ(オオマリコケムシ科)
北アメリカ原産の外来種。潟や池などに寒天質からなる球形の群体塊をつくる。浮遊性の休芽により、分布を拡大させている。汚濁の進んだ水域に多い。
執筆者
山浦 知雄(越佐昆虫同好会)
参考文献
- 岡田要(1965)新日本動物圖鑑 上.北隆館
- 浜島繁隆ほか(2001)ため池の自然-生き物たちと風景.信山社サイテック
- 大高明史(1992)日本産水生ミミズ類ユリミミズ属(イトミミズ科)の分類について.弘前大学教育学部紀要,68:27-40
- 西野麻知子(1996)滋賀の水生動物[貝・エビ・その他の小動物たち]図解ハンドブック.滋賀の理科教材研究委員会
写真提供者
【井上信夫氏】オオマリコケムシ